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アベ教授
フィリピン不動産ブローカー”アベパッド”代表。マニラ在住。マカティ、BGC、マンダルヨンエリアの中古コンドミニアム売買を専門的に扱う。自身もコンドミニアム保有。著書「フィリピン不動産で人生変わった」
フィリピンの永住権を5種類比較
フィリピンの長期滞在ビザには、フィリピン政府が公式に認めている永住権と、永住権ではないけれども事実上は永住権に近い長期滞在ビザに大別することができます。
公式に認めらている永住権は、クォータービザと結婚ビザのみ。
永住権に近い長期滞在ビザは、特別居住退職者ビザ、特別投資家ビザ、APECO特別永住権ビザ。
この5種類のどれかが一般的にフィリピン永住権とされているものの正体となります。
ビザの種類 | 費用 | 年齢制限 | 特徴 |
---|---|---|---|
特別居住退職者ビザ(SRRV) | 2万米ドルの預金 | 50歳以上 | 年齢制限はあるものの、預金と数週間の滞在で取れる最もお手軽な永住権 |
クオータービザ(Quota Immigrant Visa) | 5万米ドルの預金 | 20歳以上 | 結婚以外の方法で唯一とれるフィリピン政府公認の永住権。人数制限があり、他のビザと比べてハードル高い |
特別投資家ビザ(SIRV) | 7万5000米ドルの株式投資 | 21歳以上 | 預金ではなく投資をすることがビザの取得条件となる。 |
結婚用永住移住査証ビザ(13A・13B) | 申請費用のみ | 18歳以上 | 唯一供託金を支払いや投資をする必要がない永住権。配偶者が離婚・死別したら永住権は剥奪される。 |
APECO特別永住権(APRV) | 2万米ドルの投資+登録費用150〜200万円程度 | なし | 5つの長期滞在ビザの中で最も新しいビザ。実質的にはお金でビザを買う形に近い |
この中で日本人が現実的に手に入れやすいのは「特別居住退職者ビザ」「クォータービザ」「APECO特別永住プログラムビザ」の3つとなります。
特別居住退職者ビザ(SRRV)
特別居住退職者ビザは、フィリピン退職庁が発行する日本人に最も人気の長期滞在ビザとなります。
年齢制限こそあるものの、金銭的なハードルが他のビザと比べて低いのが特徴です。
特別居住退職者ビザには4種類ありますが、SRRVクラシック以外を取る人はほとんどいません。
ビザの種類 | 条件 |
---|---|
SRRVクラシック | 50歳以上。フィリピンの銀行へ2万米ドルの預金(投資への転換可能) |
SRRVスマイル | 50歳以上。フィリピンの銀行へ2万米ドルの預金(投資への転換不可) |
SRRVヒューマンタッチ | 50歳以上。フィリピンの銀行へ1万米ドルの預金(投資への転換不可) |
SRRVコーテシー | 35歳以上のフィリピン元国籍保有者 or 50歳以上の元大使 or 元外交官。フィリピンの銀行へ1500米ドルの預金 |
- 取得条件:指定されたフィリピンの銀行へ2万米ドルの預金
- 費用:申請料1400米ドル+年360米ドルの更新料+代理店費用
- 年齢制限:50歳以上
- 就労可否:可能だが、別途外国人就労許可が必要
- 更新頻度:1年に1度
- 家族の永住権の取得:可能
- 特典:PHILHEALTH(健康保険)が使える、旅行税の免除、年金の所得免除、最大 7,000 米ドル相当の家財および身の回り品の 1 回の輸入に対する関税および税金免除、ACR-I カードの保有義務の免除
たまに35歳以上からSRRVが取れると書いているメディアがありますが、2024年現在に年齢制限が35歳から50歳まで引き上げられ、2024年現在は50歳以上ではないと申し込むことができなくなっています。
特別投資家ビザ(SIRV)
特別投資家居住ビザ(SIRV, Special Investor’s Resident Visa)は、1987年に制定されたオムニバス法の規定に基づき、投資委員会(BOI)を通じて移民局(Bureau of Immigration Philippines)が発行するビザです。
- 取得条件:上場企業、IPPプロジェクトに参加している会社、非上場企業(製造業、サービス業のみ)、政府証券(国債等)へ7万5000米ドル以上投資
- 費用:申請料1400米ドル+年360米ドルの更新料+代理店費用
- 年齢制限:21歳以上
- 就労可否:可能
- 更新頻度:1年に1度IDカードの更新必要あり(特定分野に投資した場合は3年更新)
- 家族の永住権の取得:可能
- 特典:PHILHEALTH(健康保険)が使える、旅行税の免除、年金の所得免除、最大 7,000 米ドル相当の家財および身の回り品の 1 回の輸入に対する関税および税金免除、ACR-I カードの保有義務の免除
特別投資家ビザを取得する大半の外国人は、ジョリビー、サンミゲル、BPI、アヤラなどフィリピンの上場株の中でも主要な銘柄に分散投資をします。
クオータービザ(Quota Immigrant Visa)
クオータービザは、フィリピン政府が特定の国に対してのみ発行し、各国ごとに年間50人までの人数制限がある永住権となります。
他の長期滞在ビザと異なり、公式に永住権として国から認められている、ビザ取得後は預金した5万ドルを自由に引き出すことができるなど大変魅力的なビザとなっています。
ただ人数制限もあることから代理店費用が高額になりがち、また誤った代理店を選ぶとビザが取れないといったマイナス面も存在します。
- 取得条件:指定のフィリピン国内銀行へ5万米ドル預金
- 費用:年間数百ペソの更新料+代理店費用(100万円〜200万円前後)
- 年齢制限:21歳以上
- 就労可否:可能
- 更新頻度:1年に1度
- 家族の永住権の取得:不可能。家族全員分別々に申請する必要あり。
結婚用永住移住査証ビザ(13A・13B)
結婚用永住移住査証ビザは他の長期滞在ビザ、永住権と異なり金銭的な制約がないため、フィリピン人に移住し、長期滞在をする日本人からは人気のビザとなります。結婚してからは1年間の仮ビザ(13A)が降りる。結婚から1年後の面接の後、永住権となる(13B)が降ります。結婚ビザには「離婚もしくは相手が死別したらビザ自体が無効になる」という大きな罠があります。
- 取得条件:フィリピン人と結婚すること
- 費用:数千ペソ程度
- 年齢制限:18歳以上
- 就労可否:可能
結婚の時に離婚のことを考える人間はいませんが、事実、フィリピン人と結婚する日本人の過半数は離婚します。一定資産があり、フィリピンの永住を検討されているのであれば、結婚ビザではないビザをとっていく方が安全です。
APECO特別永住権ビザ(APRV)
APECO特別永住権ビザは、フィリピンのオーロラ州経済特区が取り組む地域開発事業に投資をすることで永住権を取得できるプログラムとなります。実質的には投資というよりはお金で永住権を買う形に近いですが、他の永住権と比べてフィリピンに来なければいけない頻度が少ない、フィリピンへの滞在期間が5日で良い、現地の住所の確保が必要ないなど様々なメリットがあります。ただ就労したい場合には、外国人就労許可を別途取る必要があるため、フィリピンで働く予定がある方は注意が必要です。
- 費用:2万米ドルの投資+登録費用150〜200万円程度
- 年齢制限:なし
- 就労可否:可能だが、別途外国人就労許可が必要
- 更新頻度:5年に1度
- 家族の永住権の取得:不可能。家族全員分別々に申請する必要あり。
- 特典:PHILHEALTH(健康保険)が使える、旅行税の免除、年金の所得免除、最大 7,000 米ドル相当の家財および身の回り品の 1 回の輸入に対する関税および税金免除、ACR-I カードの保有義務の免除
フィリピン永住権に関するよくある質問
観光ビザでも不動産投資はできる?
永住権の種類によって序列はある?
肌感としては結婚ビザ≒クオータービザ→ APECO→特別投資家ビザ≒特別居住退職者ビザの順番で優遇されています。
代理店を使わずとも永住権はとれる?
残念ながら2024年時点でフィリピンの移民局というのはまだ不透明な部分があり、人数制限のあるクォータービザにおいては賄賂や特定の業者との癒着が横行しています。
どのビザが一番おすすめ?
不動産さえ買えばフィリピンの永住権はとれる?
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